開発環境の構築

開発用プロファイルの作成

既存の環境に影響を与えないようにするため、アドオンの開発用に専用のプロファイルを作成します。プロファイルの管理 | Firefox ヘルプ

Firefox Developer Edition

現行のバージョンより進んでも良いならば、Firefox Developer Editionをインストールすることで、開発用としてdev-edition-defaultの名前でプロファイルが自動で作成されます。この場合、後述するプロファイルの作成は不要です。

プロファイルマネージャ (Profile Manager)

Firefoxが起動しているならば終了し、[ファイル名を指定して実行]から次のいずれかのように入力して起動します。

firefox.exe -P
firefox.exe -ProfileManager

プロファイルマネージャが起動したら、[新しいプロファイルの作成]をクリックします。

プロファイルの名前を入力し、[完了]をクリックします。

新しいプロファイルが一覧に追加されます。

ここからでも新しいプロファイルで起動できるのですが、に説明するようにFirefoxへのショートカットを作成した方が簡単です。

このプロファイルの選択画面から起動するとき、[今後このプロファイルを使用する]にチェックが入っていると、プロファイル名を指定せずに起動したときの既定のプロファイルとなります。よってその必要がなければ、このチェックは外すようにします。

プロファイルを指定してFirefoxを起動

Firefoxの起動パラメータに、

-no-remote -P profile_name

のように記述することで、先に作成した開発用のプロファイルでFirefoxを起動できます。なおプロファイル名は大文字/小文字が区別されるため、正確に記述します。

パラメータ 意味
-no-remote Firefoxを同時に複数起動できるようにする
-P profile_name 指定のプロファイルでFirefoxを起動する
コマンドラインオプション - Mozilla | MDN

Firefoxのショートカットを新規に作成し、[リンク先]にパラメータを追記します。

このショートカットから実行するだけで、開発用のプロファイルでFirefoxが起動します。

プロファイルの削除

プロファイルマネージャで[プロファイルを削除]を実行することで、不要となったプロファイルを削除できます。

Firefoxを開発用に設定

設定ファイルに、下表のように設定をします。

設定 説明
javascript.options.showInConsole true chromeファイルでのエラーを、エラーコンソールに出力するようにする
javascript.options.strict true エラーコンソールでの厳密な警告を有効にする
nglayout.debug.disable_xul_cache true XULキャッシュを無効にする。
browser.dom.window.dump.enabled true デバッグコンソールへ出力できる、dump()を使用可能にする。

Developer Assistantをインストールしていると、この設定が書き換えられることがあります。

設定ファイル (about:config) の表示

ロケーションバーにabout:configと入力します。

警告のメッセージが表示されますが、[細心の注意を払って使用する]をクリックします。

設定の一覧が表示されます。

設定ファイルの設定方法

[フィルタ]に変更したい設定名を入力することで、現在の設定が表示されます。設定値を変更するならば、それを右クリックして新しい値を入力します。

型が[真偽値]の場合は、[切り替え]をクリックするだけです。

設定名が存在しない場合は、コンテキストメニューの[新規作成]から作成します。

設定の名前を入力します

値を設定します。この値は後から変更できます。

新しく作成した設定がユーザー設定として登録されます。

ベータ版のFirefoxのインストール

ベータ版のFirefox (Firefox Beta) を導入することで、次期バージョンとの互換性を検証することができます。それは次のリンクからダウンロードできます。

プレビューリリース | 次世代ブラウザ Firefox

インストールは正式版と同じようにできますが、既定の設定のままインストールすると正式版を上書きしてしまうため、セットアップではインストール先のフォルダを変更する必要があります。

またプロファイルを指定しないと正式版の既定のプロファイルで起動するため、ベータ版用のプロファイルを作成し、そのプロファイルで起動するようにします。

ベータ版は正式版とは異なるアプリケーションとして管理されるため、Firefoxの更新の際には正式版とは別に更新作業が必要となります。

ちなみにベータ版よりさらに新しいバージョンとして、AuroraとNightlyがあります。ただしこれらはテスト用ではなく、開発者向けのバージョンです。

サーバの設定

アドオン インストールファイルからアドオンをインストールするならば、サーバの設定は不要です。

xpiファイル (パッケージ化されたアドオンのファイル) のリンクからFirefoxにインストールできるように、サーバの設定を変更します。

Apacheの場合

Apacheを利用している場合には、設定ファイルにMIMEタイプ「application/x-xpinstall」を追加します。 AddType ディレクティブ - Apache HTTP サーバ

AddType application/x-xpinstall .xpi

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