ファイル履歴 (File History)

ファイル履歴はWindows 8以降の機能であり、他のOSでは使用できません。

Windows 11以降は設定アプリから除外されており、コントロールパネルからしか操作できません。Windows でのバックアップと復元 - Microsoft サポート

ファイル履歴の有効化

コントロール パネル\システムとセキュリティ\ファイル履歴で[ドライブの選択]をクリックし、バックアップ先のドライブを指定します。そして[オンにする]をクリックすることで、ファイル履歴が有効になります。Windows 10でファイル履歴を使用してバックアップする方法 - NEC LAVIE公式サイト

バックアップは基本的に指定の頻度で自動で実行されますが、設定の【更新とセキュリティ → バックアップ】の[その他のオプション]にある[今すぐバックアップ]を実行することで、明示的に実行することもできます。このように開始したバックアップは、コントロールパネルの【システムとセキュリティ → ファイル履歴】で[停止]を指定することで取り消せます。

バックアップ対象

バックアップ対象のフォルダを追加するには、設定の[バックアップ オプション]にある[バックアップ対象のフォルダー]の[フォルダーの追加]からフォルダを選択します。対象となっているフォルダを対象から外すには、そのフォルダ名をクリックし[削除 (取り出し)]をクリックします。

一度バックアップ対象としたものを外すと、そのフォルダ以下は永続的に対象から除外されます。これは設定ファイルのConfig1.xmlを修正しないと取り消せません。

特定のフォルダを除外するには[バックアップ オプション]にある[除外するフォルダー]か、コントロール パネル\システムとセキュリティ\ファイル履歴\除外するフォルダーから指定します。

バックアップ頻度と保持期間

既定では1時間ごとにバックアップが実行され、それらは意図的に削除するまで保存されます。これらはコントロール パネル\システムとセキュリティ\ファイル履歴\詳細設定で変更できます。

  • ファイルのコピーを保存する頻度 (Save copies of fiels)
    • 10 分ごと
    • 15 分ごと
    • 20 分ごと
    • 30 分ごと
    • 1 時間ごと (既定値)
    • 3 時間ごと
    • 6 時間ごと
    • 12 時間ごと
    • 毎日
  • 保存されたバージョンを保持する期間 (Keep saved versions)
    • 領域が足りなくなるまで (Until space is needed)
    • 1 か月
    • 3 か月
    • 6 か月
    • 9 か月
    • 1 年
    • 2 年
    • 無期限 (既定値) (Forever)

既定の無期限では、ドライブの容量が不足したときにはエラーとなり、バックアップが実行されません。

バックアップの管理

バックアップ先の変更

ファイル履歴を有効にするのと同じ手順で、バックアップ先を変更できます。それにはコントロールパネルのファイル履歴で[ドライブの選択]をクリックし、新しいバックアップ先となるドライブを選択します。そのとき既存のファイルの移動を問われ、希望するならばそれまでの履歴も移動できます。バックアップ先のドライブを選択(変更)する - 富士通Q&A - [Windows 10] ファイル履歴を管理する方法を教えてください。 - FMVサポート : 富士通

ドライブの使用を停止

[設定]の[ドライブの使用を停止]を実行してもそのドライブが使用されなくなるだけで、それから新しいドライブをバックアップ先に指定しても既存のファイルは引き継がれません。また元のドライブを再度バックアップ先に指定すると、そのドライブ内のバックアップ場所に新しいフォルダが作成され、こちらも既存のファイルが無視されます。このような場合には[設定]ではなくコントロールパネルの[ドライブの選択]からバックアップ先を指定し、続けて既存のバックアップ先を選択することで、既存のファイルを引き継げます。

不要なバックアップの削除

コントロールパネルのファイル履歴の詳細設定の画面にある[古いバージョンのクリーンアップ (Clean up versions)]から、不要なバックアップを削除できます。

そこでは「クリーンアップでは、最新バージョンのファイルまたはフォルダーを除き、選択した作成日より古いバージョンのファイルとフォルダーが削除されます。ライブラリから除外または削除されたバージョンなどのその他のファイルとフォルダーもすべて削除されます。」と解説されます。

削除の失敗

ファイル履歴データをクリーンアップできませんでした (Could not clean up File History data)」「要素が見つかりません。(Element not found.)File History: Element not found when clean up old files since - Microsoft Community

バックアップからの復元

まず次のいずれかの方法で、ファイル履歴のウィンドウを表示します。

  • Windowsの[設定] … 【更新とセキュリティ → バックアップ】の[その他のオプション]をクリックし[現在のバックアップからファイルを復元]をクリック
  • コントロールパネル … 【システムとセキュリティ → ファイル履歴】の[個人用ファイルの復元]をクリック

次に対象とするフォルダまたはファイルを選択します。対象が一覧に表示されないならば、上部のアドレスバーにそのパスを入力します。そして下部のボタンをクリックし、対象とするバージョンを指定します。最後に下部の[復元]ボタンをクリックし、復元を実行します。Windows 10でファイル履歴を使用して復元する方法 - NEC LAVIE公式サイト

既定では元の場所に復元されますが、[復元]ボタンを右クリックし[復元場所の選択]を選択することで、それを変更できます。

トラブル対処法

バックアップ先のドライブが認識されない

ファイル履歴のドライブが長時間にわたって切断されていました。ファイルのコピーの保存を続行するには、ドライブを再接続してからタップまたはクリックしてください。

ドライブの再接続で改善されない場合には、ファイル履歴をオフにしてからオンにします。■Win10 ファイル履歴のバックアップが出来ず、ドライブの再接続エラーメッセージが出る。 - マイクロソフト コミュニティ

ファイル履歴のドライブに再接続してバックアップを実行するまでの間、ファイルは一時的にハード ドライブにコピーされます。

バックアップされないファイルがある

問題が発生したときは、イベントビューアーの【アプリケーションとサービス ログ → Microsoft → Windows → FileHistory-Engine → ファイル履歴のバックアップ ログ】のログでその原因を確認できます。ただし記録されない問題もあるため、その場合には別の対処が必要です。

ログに記録される場合

ソース:FileHistory-Core
レベル イベントID 概要 対処法
情報 100 ファイル履歴の操作状態が変更されました  
エラー 201 構成 C:\Users\UserName\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration\Config でユーザー ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません ファイル名の半角/全角が問題ならば、名前を変更する
警告 202 構成 C:\Users\UserName\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration\Config でユーザー ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行しているときに、通常とは異なる条件が発生しました  
エラー 203 構成 C:\Users\UserName\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration\Config でバックアップ周期を完了できません  
ソース:FileHistory-Engine
レベル イベントID 概要 対処法
エラー 100 ファイルの完全パスが MAX_PATH 上限を超えているため、または、サポートされていない文字を含んでいるため、ファイルはバックアップされませんでした: ファイルを保護する場合は、ディレクトリとファイルの名前を別のものにしてください。
エラー 101 ファイル/ディレクトリが暗号化されているか、アクセス許可が不十分であるため、ファイル/ディレクトリはバックアップされませんでした: ディレクトリは再解析ポイントであるため、バックアップされませんでした:
警告 104 アプリケーションがファイルを開いているため、ファイルはバックアップされませんでした: ファイルは後でバックアップされます。
ソース:FileHistory-EventListener
レベル イベントID 概要 対処法
警告 106 ディレクトリは再解析ポイントであるため、バックアップされませんでした: ディレクトリを保護する場合は、再解析ポイントを削除してください。
イベントID:106

バックアップ対象のディレクトリが再解析ポイント (reparse point) のときに発生します。シンボリック リンクなどがこれに該当し、ファイル履歴ではこれをバックアップ対象とできません。

イベントID:201

イベントIDが201のエラーの場合、ファイル名が半角と全角だけの違いのファイルが同一フォルダに存在することが原因の可能性があります。問題のファイルは、次の方法により特定できます。

  • バックアップ オプションの[最新のバックアップ]の日付を基に、その直後に更新されたファイルを対象に検索することで推定する
  • 半角、全角いずれかに統一するようにリネーマーで名前を変更し、名前の衝突により見つけ出す
  • バックアップ対象のフォルダを順に変更し、問題のファイルが存在するフォルダを絞り込む

ログに記録されない場合

設定で[除外するフォルダー]に追加したフォルダに含まれるファイルはバックアップされず、ログにも記録されません。これは正常な動作です。しかし一方でバックアップ対象に追加したあと[取り出し]で削除すると、暗黙的に除外するフォルダに追加され設定にそれが表示されません。

このように設定されたフォルダは%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Windows\FileHistory\ConfigurationのConfig1.xmlで、

<FolderExclude Hidden="true">C:\SAMPLE</FolderExclude>

のような記述で確認できるため、このFolderExclude要素を削除することで[除外するフォルダー]から削除できます。なぜWindows10はファイル履歴を取ってくれないのか

なお同一のフォルダにConfig2.xmlの名前のファイルもありますが、このファイルにはファイル履歴の有効化時やバックアップの実行時にConfig1.xmlの内容がコピーされるものです。またバックアップ先のドライブの\FileHistory\UserName\ComputerName\ConfigurationにあるConfig1.xmlはバックアップの実行時に作成されるもので、これを編集しても効果はありません。

コンピュータ名の変更後、それがバックアップのパスに反映されない

バックアップのデータはDriveName:\FileHistory\UserName\ComputerNameに格納され、ComputerNameはコンピュータ名により決定されます。しかし一度バックアップを作成するとコンピュータ名を変更してもそれが反映されず、フォルダごと削除しても以前の名前で作成されます。これはバックアップの情報が%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Windows\FileHistory\ConfigurationのConfig1.xmlに保存されているためで、このファイルを削除してから再度バックアップを有効にすると、このファイルも再生成されコンピュータ名も更新されます。After renaming the computer, the File History backup still showing the - Microsoft Community

Configurationの設定ファイルを削除後バックアップに失敗するならば、モダンUIではなくコントロールパネルからファイル履歴を開きます。

バックアップされないファイルがあるとの表示

コントロールパネルからファイル履歴を有効化しようとすると、「ファイル履歴で、ネットワーク上の場所、または NTFS ファイル システムを使用していないドライブ上に、暗号化ファイル システムで暗号化されているファイルが見つかりました。これらのファイルはバックアップされません。」と表示されることがあります。これはバックアップできないファイルについての事前の通知のようです。山市良のえぬなんとかわーるど: Windows 8.1 のファイルの履歴の気になる日本語メッセージ

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