Windows版のApacheでの利用を前提とします。
PHPにはバージョンの違いの他、スレッドセーフかどうかなどによって、いくつかの種類があります。どれを選択するかはお使いのシステムによりますが、開発環境にインストールするならば本番環境と同じものとします。
CGI版とモジュール版
PHPは、HTMLファイル内に記述するタイプのスクリプト言語です。通常のCGIとして使用できますが、PHPモジュールをApacheサーバに組み込むことにより、 Perl/CGIと比較して処理速度の高速化、サーバ負荷の低減が可能です。
日本PHPユーザー会 (Japan PHP Users Group) - [ PHPについて ]
いずれの版で呼び出されているかは、phpinfo()で設定情報を出力し、Server APIの項目で確認できます。
なお共用のレンタルサーバの多くでは「CGI版」が使用されています。
Apache 2のようなマルチスレッドのサーバでモジュール版を利用するならば、スレッドセーフ版 (TS) を選択します。それ以外は非スレッドセーフ (NTS) で構いません。PHP をダウンロードするときの「スレッドセーフ」の意味は? - PHP: PHP を手に入れるには - Manual
PHP 7.0は、2019/01/10にサポートが終了しています。PHP: Unsupported Branches
PHP 5.3は、2014/08/14にサポートが終了しています。PHP: Unsupported Branches
VC9かVC6、スレッドセーフか非スレッドセーフの組み合わせで4種類あります。このうちVCのバージョンは、対象とするサーバによって異なります。
スレッドセーフ | 非スレッドセーフ | |
---|---|---|
VC9 x86 | IIS | IIS |
VC6 x86 | Apache | Apache |
手動でインストールするならば[PHP x.x.x zip package]を、インストーラを利用したいならば[PHP x.x.x installer]をダウンロードします。
PHPの各バージョンは、それの最初のリリースから原則3年間サポートされます。
インストーラを利用するのが簡単ですが、すべてのバージョンで用意されているわけではありません。そのような場合には手動で行います。
PHP For Windows: Binaries and sources Releases
過去のバージョンはwindows.php.net - /downloads/releases/archives/にあります。
ダウンロードしたファイルに応じて、
の2つの方法があります。
ダウンロードしたzipファイルを展開し、適当なディレクトリに配置します。そして、そこに含まれる
のいずれかのファイルをコピーして、php.iniに名前を変更します。それからPHPとサーバとの関連付けを行います。また必要ならば、php.iniを編集してPHPの設定をします。
インストーラを利用する方法は簡単ですが、自動でされる設定は安全なものではありません。よってインターネット接続されたサーバでは、利用すべきではありません。
ダウンロードしたmsiファイルを実行し、ウィザードに従いインストールと設定を行います。
セットアップするサーバの選択
[Apache Configuration Directory]では、Apacheの設定ファイル (httpd.conf) があるディレクトリを指定します。
既定では%ProgramFiles%/Apache Software Foundation/Apache2.2/conf/にあります。
インストールする拡張モジュールの選択
インストール済みの拡張モジュールは、phpinfo()またはget_loaded_extensions()で確認できます。get_loaded_extensions()ではモジュール名が配列で返されるため、
print_r( get_loaded_extensions() );
とすると、
Array ( [0] => Core [1] => bcmath [2] => calendar ... )
のようにインストール済みのモジュールを確認できます。PHP: get_loaded_extensions - Manual
また拡張モジュールの実体は、php.iniのextension_dirディレクティブで指定されたディレクトリにあり、ファイル名が[php_***.dll]の形式のものがそれです。
コントロールパネルの[プログラムのアンインストールまたは変更]からインストール済みのPHPを選択し、[変更]をクリックします。
Setup Wizardが開くので[Change]を選択します。
以降はインストール時と同様に行い、追加または削除する拡張モジュールを選択します。
アップグレードする場合には、その手順よりも、バージョン間の差異に注意する必要があります。
手動でのインストールと同じ手順で行います。
インストーラを使用してインストールした場合、そのまま上書きしてインストールできます。PHP: Windows インストーラ (PHP 5.2 以降) - Manual
PHPが期待通りに動作しない場合には、コマンドラインから
C:\php>php -v
のように実行すると、発生しているエラーを確認できます。