Microsoft Outlook 2007の使用方法

基本機能

メール (Mail)

アカウント設定 (account settings)

アカウントの設定は、メニューの【ツール → アカウント設定】から行えます。

新しい電子メール アカウントの追加 (Add New Account)

新しいアカウントを追加するには[新規]をクリックします。

設定項目 説明
ユーザー情報 名前  
電子メール アドレス  
サーバー情報 アカウントの種類  
受信メール サーバー
送信メール サーバー
メール サーバーへの
ログオン情報
アカウント名  
パスワード  
Outlook Mobile Service

メールのアカウント作成時に、サービスに「Outlook Mobile Service」という選択肢があります。これはOutlookからモバイル デバイスへメッセージを送信するためのサービスですが、日本国内では利用できません。

暗号化接続

[詳細設定 (advanced settings)]タブの[使用する暗号化接続の種類]で、暗号化の方式を指定できます。

  • なし
  • SSL (Secure Sockets Layer)
  • TLS (Transport Layer Security)
  • 自動

アカウント設定のテストで、「テスト電子メール メッセージの送信: 送信 (SMTP) メール サーバーに接続できません。このメッセージを引き続き受信する場合は、サーバー管理者かインターネット サービス プロバイダ (ISP) に問い合わせてください。」とエラーとなる場合には、サーバーのポート番号を確認します。

サーバごとの設定

Google (Gmail)
さくらインターネット

さくらインターネットのメールアドレスでの設定方法は、以下のページで解説されています。

トラブル対処法

ネットワーク パスワードの入力を求められる

パスワードを保存しているにもかかわらず、再度パスワードの入力を求められることがあります。これはメール サーバへのログインに失敗した場合に表示されます。

これまで正常に送受信できていたのに突然ダイアログが表示されたとしたら、それはメール サーバの不具合かも知れません。もしサーバ側のトラブルだとしたら設定を見直しても解決は不可能で、サーバ側で解決されるのを待つしかありません。

受信に失敗する

受信に失敗し、「タスク '*** - 受信中' でエラー (0x80042108) が報告されました: '受信 (POP3) メール サーバーに接続できません。このメッセージを引き続き受信する場合は、サーバー管理者かインターネット サービス プロバイダ (ISP) に問い合わせてください。'」とエラー表示されることがあります。これはIPv6による接続やセキュリティソフトが原因となることがあるようですが、Outlookを再起動することで解決できることもあります。

メールの送受信

送受信グループ (Send/Receive groups)

送受信グループの設定は、メニューの【ツール → 送受信 → 送受信の設定 → 送受信グループの定義】から行えます。

オプションの[メール セットアップ]タブで[接続したら直ちに送信する]がチェックされていると、オンラインの状態ではすぐに送信されます。これでは送受信グループの設定が意味をなさなくなるため、送信の時機も制御するにはこのチェックを外します。

メッセージ本文が取得されない

このアイテムはまだサーバーから取得されていません。」として、操作の選択を迫られることがあります。そのときの操作の意味は、下表の通りとなります。

  本文のダウンロード サーバーから削除
マークを解除する
(Unmark this header item)
× ×
メッセージをダウンロード用にマークする
(Mark to download this message)
コピーを取得するようにマークする
(Mark to download this message and leave a copy the server)
×
サーバーから削除するようにマークする
(Mark to delete this message from the server)
×

選択した操作は、受信時に実行されます。

メッセージの管理

定義済みの並べ替え方法
項目 分類の基準
グループ化 並べ替え
日付 日付 受信日時
スレッド メッセージの件名 受信日時
差出人 差出人 受信日時
宛先 宛先の名前 受信日時
分類項目 分類項目 受信日時
フラグ: 開始日 フラグ フラグの開始日
フラグ: 期限 フラグ フラグの期限
サイズ サイズの巨大、超特大などの7つ サイズ
件名 メッセージの五十音順の件名 受信日時
種類 アイテムの種類別 受信日時
添付ファイル 添付ファイルの有無の2つ 受信日時
電子メール アカウント 電子メール アカウント 受信日時
重要度 重要度の高・標準・低の3つ 受信日時

グループ化 (grouping)

グループ化することで、関連するメッセージをまとめられます。

スレッド (thread)

特定の相手とのメッセージをまとめるには、[スレッド]で並べ替えます。スレッドではメッセージの件名を基準にまとめられます。これはメインメニューの【表示 → 並べ替え → スレッド】から指定できます。メッセージをスレッド別に並べ替える - Outlook

このように、先頭のフィールドはインデントされて表示されます。

差出人のメールアドレスの確認

通常、電子メールの「差出人」の欄には、その差出人が設定した名前が表示されます。一方で差出人のメールアドレスはそのメールの[メッセージ オプション]のヘッダーから確認できますが、それは手間のため、ここでは差出人のメールアドレスをメッセージビューに表示する方法について解説します

差出人に表示される名前は差出人が決められるのと同様に、差出人のメールアドレスも差出人が自由に決められるものです。よってこのようにして確認したメールアドレスが、正確である保証はありません。しかし配送経路はすべて偽装できないため、より正確な情報はメールヘッダから調べます。

電子メールのエクスポートとインポート

電子メールをバックアップするには、

  • フォルダごとまとめて、Outlookのpst形式で保存
  • メールごとに、Outlookのmsg形式で保存
  • メールごとに、テキスト形式で保存

などの方法があります。

pst形式 (個人用フォルダ)

フォルダごと1つのファイルにまとめてバックアップするならば、個人用フォルダのpst形式で保存します。それにはメニューの【ファイル → インポートとエクスポート】を選択します。そして[ファイルにエクスポート]を選択し、[次へ]をクリックします。Outlook2007のメールのバックアップとインポート

ファイルの種類で[個人用フォルダ ファイル (.pst)]を選択し[次へ]をクリックしたら、エクスポートするフォルダを選択します。続いて保存先と、データが重複した場合の処理を問われます。

このオプションの選択によって、重複時に下表のように処理されます。

選択肢 処理内容
重複した場合、エクスポートするアイテムと置き換える 既存のデータは、エクスポートされた情報で上書きされます。
重複してもエクスポートする 既存のデータは上書きされず、重複する情報は、バックアップ ファイルに追加されます。
重複したらエクスポートしない 既存のデータが保持され、フォルダ内の重複する情報はバックアップ ファイルにコピーされません
Outlook の電子メール メッセージをバックアップする - Outlook - Office.com

オプションを決定し[完了]をクリックしても完了せず、個人用フォルダの作成ダイアログが表示されます。ここでさらに[OK]をクリックすると.pstファイルが作成され、作業は完了です。

インポート

pst形式で保存したデータは、エクスポートと同様の手順でインポートできます。

  1. メニューの【ファイル → インポートとエクスポート】を開く
  2. 処理には[他のプログラムまたはファイルからのインポート]を選択する
  3. ファイルの種類で[個人用フォルダ ファイル (.pst)]を選択する
  4. 開くファイルを指定する
  5. インポートするフォルダと、インポート先のフォルダを指定する

インポート時には、元のフォルダ構成が維持されて結合されます。それにより既存のデータと競合する恐れがあるため、インポート先のフォルダ名を先に変更しておくと安全です。

msg形式

メールを選択した状態でCtrl + Cでクリップボードにコピーし、それをエクスプローラなどに貼り付けると、選択したメールがmsg形式でコピーされます。

テキスト形式

メールを開いた状態で、そのウィンドウのOfficeボタンから[名前を付けて保存]を選択します。そして[ファイルの種類]で[テキスト (*.txt)]を選択して保存すると、txt形式で保存されます。

予定表 (Calendar)

予定表 (Calendar) は、予定 (Appointment) をまとめたものです。

予定表の追加

既定では1つの予定表が用意されていますが、ここに予定表を追加し、目的別に管理することができます。

予定表の共有

予定表のインポート (iCalendar)

他のツールで作成された予定表を、Outlookに取り込めます。

メニューの【ファイル → インポートとエクスポート】でウィザードを開き、実行する処理から[iCalendar (.ics) または vCalendar ファイル (.vcs) のインポート]を選択します。

iCalendar (アイカレンダー)

インターネットでスケジュール情報を交換するための規格。vCalendarという規格を拡張した。拡張子はics。ファイル内部には予定の開始日時や終了日時、場所、件名などがテキスト形式で記載される。対応するソフトやサービスは、スケジュール情報をiCalendar形式で書き出したり読み込んだりできる。OutlookやWindowsカレンダーのほか、オンラインサービスのGoogleカレンダー、MacのカレンダーソフトiCalなどが対応する。RFC 2445で規定された。

「iCalendar」とは:パソコン関連用語の意味・解説

OutlookでのiCalendarの記述方法は、適当な予定をエクスポートすることで確認できます。

予定のエクスポート

個々の予定は、その予定を開いた状態でOfficeボタンをクリックし、[名前を付けて保存]からファイルにエクスポートできます。

iCalendar形式では、次のように出力されます。

BEGIN:VCALENDAR
PRODID:-//Microsoft Corporation//Outlook 12.0 MIMEDIR//EN
VERSION:2.0
METHOD:PUBLISH
X-MS-OLK-FORCEINSPECTOROPEN:TRUE
BEGIN:VEVENT
CLASS:PUBLIC
CREATED:
…

連絡先 (Contacts)

連絡先のエクスポートとインポート

vCard

vCardはOutlook以外も対応する標準的なフォーマットのため、Outlook独自の情報はvCardへは保存されません。

vCard (ブイカード)

インターネット経由で交換する電子的な名刺の規格。名前や住所、電話番号といった情報をやり取りできる。vCard形式で書いた自分の名刺をメールに添付して送ると、相手がvCard対応のメールソフトを使っていれば、その情報をそのまま相手のアドレス帳に登録できる。

「vCard」とは:パソコン関連用語の意味・解説
vCardへのエクスポート

連絡先を開いて、Officeボタンから【名前を付けて保存 → vCardファイルにエクスポート】を実行することで、連絡先をvCard形式で保存できます。連絡先を vCard (.vcf ファイル) として送信および保存する - Outlook - Office.com

複数の連絡先を一括してエクスポートするには、複数の連絡先を選択した状態で右クリックし、[名刺として送信]を選択します。そうすると下図のように、添付ファイルに複数の連絡先が設定された状態でメールの作成画面が開きます。

そして添付ファイルをすべて選択し、コピーします。その状態でエクスプローラーなどに貼り付けることで、vCard形式で一括してエクスポートできます。なお添付ファイルを選択した状態で、エクスプローラーなどへドラッグ&ドロップすることでも可能です。

vCardからのインポート

vCardファイルは、メニューの【ファイル → インポートとエクスポート】にある[vCardファイルのインポート]からOutlookへインポートできます。またはvCardファイルをOutlookへドラッグ&ドロップするとその連絡先が開くので、それを保存することでもエクスポートできます。

.msgファイル

.msgファイルはOutlook独自の形式ですが、他ツールでの利用を考慮しなくても良いのならば、最も簡単にエクスポートとインポートを行えます。またvCardとは異なり、Outlook独自の情報もすべて保存されます。

.msgへのエクスポート

連絡先を選択して、それをエクスプローラーなどへドラッグ&ドロップします。

.msgからのインポート

エクスプローラーなどで.msgファイルを選択して、それをOutlookへドラッグ&ドロップします。.msgファイルがメールに添付された状態であるならば、それを先にコンピュータ上へ保存してから作業を行います。

仕事 (Tasks)

検索

ショートカットキー
検索対象 機能 キー
アイテム メッセージなどの、アイテムを検索する Ctrl + E
すべての…アイテムの検索 Ctrl + Alt + A
テキスト メールに含まれる、テキストを検索する F4 ※1
メール以外のアイテムに含まれる、テキストを検索する Ctrl + F
すべて [高度な検索] Ctrl + Shift + F
※1 メールのウィンドウでCtrl + Fを押下すると、メールの転送となります。
Outlook のショートカット キー - Outlook - Office.com

クイック検索 (Instant Search)

クイック検索に「キーワード:<検索条件の値>」の構文でクエリを指定することで、検索結果を絞り込めます。この構文に有効な値はOutlook で検索条件を絞り込んでより良い検索結果を得る - Outlookに一覧がありますが、これに従いクエリを入力するよりも、次項のクエリ ビルダを利用してクエリを生成する方が簡単です。

クエリ ビルダ (Query Builder)

クエリ ビルダでは複雑なクエリを、その知識がなくても生成できます。これは[クイック検索]の入力欄の右にある「≫」アイコンをクリックするか、Ctrl + Alt + Wで表示できます。

クイック検索の有効化

クイック検索を使用するには、メニューの【ツール → クイック検索 → 検索オプション】のインデックス処理で、データ ファイルにチェックされている必要があります。なお、これは既定で有効となっているはずです。クイック検索を有効または無効にする - Outlook

実際のインデックスの処理はWindows Searchによって行われるため、検索が機能しないときにはインデックスを作成する対象に[Microsoft Office Outlook]が含まれているか確認します。

Outlookをアンインストールすると、それ以降「要求されたアクションを実行するように関連付けられた電子メール プログラムがありません。電子メール プログラムをインストールするか、または既にインストールされている場合は、コントロール パネルの [既定のプログラム] で関連付けを作成してください。」とWindows Searchから警告されることがあります。その場合には一時的にOutlookをインストールして、インデックス対象からOutlookを除外します。

フォントの設定

フォントは、その対象ごとに個別に設定する必要があります。

基本的には、設定対象のビューを開いている状態で、メニューの【表示 → 現在のビュー → 現在のビューの編集】から[ビューのカスタマイズ]を開き、[その他の設定]や[自動書式]から設定できます。

メール、仕事、予定表のメッセージ

メニューの【ツール → オプション】からオプションを開きます。そして[メール形式]タブで[ひな形およびフォント]をクリックし、[ひな形]タブを選択します。このウィンドウにある、

  • [新しいメッセージ] … HTML形式の文書のフォント
  • [テキスト形式のメッセージの作成と読み込み] … テキスト形式の文書のフォント

のそれぞれの[文字書式]をクリックすることで、既定のフォントを設定できます。電子メール メッセージの既定のフォントを変更する - Outlook - Office.com

なお[メール形式]のオプションから設定しますが、ここで設定するHTML形式のフォントは「仕事」や「予定表」の既定のフォントにもなります。

予定表

予定表のビュー上で右クリックし[その他の設定]を選択します。[日/週/月ビューの書式設定]ウィンドウが表示されますので、ここでそれぞれの項目のフォントを設定できます。

メモ

オプションの[初期設定]タブにある[メモ オプション]をクリックします。そして、そこにある[フォント]から、メモの表示に使用されるフォントを設定できます。

カレンダー ナビゲータ (To Do バーのカレンダー)

オプションの[その他]タブにある[詳細オプション]をクリックします。そして[カレンダー ナビゲータ]の[フォント]から、カレンダーの表示フォントを設定できます。

セキュリティ

HTML形式とRTF形式のメールの無効化

すべてのメールをテキスト形式で表示するように強制できます。これにはメニューの【ツール → セキュリティ センター】を選択し、続けて[電子メールのセキュリティ]を選択します。そして[テキスト形式で表示]の[すべての標準メールをテキスト形式で表示する]にチェックを入れます。すべての電子メール メッセージをテキスト形式で表示する方法

これのすぐ下に、[すべてのデジタル署名されたメールをテキスト形式で表示する]という項目があります。これもチェックすると署名付きのメッセージもテキスト形式で表示されるようになりますが、付けられた署名が無効になります。

テキスト形式に変換されたメールでは、上部の情報バーに「このメッセージはテキスト形式に変換されました。」と表示されます。

もし元の形式で表示する必要があるならば、この情報バーをクリックして[HTMLとして表示]または[リッチ テキストとして表示]を選択します。

個人用フォルダ (.pstファイル)

pstファイルのサイズ縮小

機能の名前が[圧縮]となっていますが、これはcompressionではなくcompaction (詰め込む) の意味での圧縮です。よってZIPフォーマットなどの圧縮とは、意味が異なります。

古いファイルの整理 (AutoArchive)

ファイルサイズを縮小するには、不要なデータを削除する方法も有効です。これはメニューの【ツール → メールボックスの整理】の[古いアイテムの整理]から行えます。メニューが「メールボックスの…」となっているためメールだけが対象のような印象を受けますが、予定表などのすべてのデータが対象となります。

[古いアイテムの整理]を実行したときの処理内容は、オプションの[その他]タブの[古いアイテムの整理]から設定できます。古いアイテムの整理の設定について

pstファイルの自動バックアップ

pstファイルの移動

Outlookを閉じた状態で、エクスプローラなどでpstファイルを移動します。それからOutlookを起動するとpstファイルの場所を尋ねられるため、新しいパスを指定します。そしてOutlookを再起動すると、移動の完了です。

現在のpstファイルの場所が不明な場合には、ナビゲーション ウィンドウの[フォルダ一覧]の[データ ファイルの管理]をクリックするか、Outlookのメニューの【ツール → アカウント設定】の[データ ファイル]タブで確認できます。

すべてのデータの移動

メニューの【ファイル → インポートとエクスポート】から移動できるのは個人用フォルダに含まれるデータのみで、それ以外は個別に移動しなければなりません。初心者でもわかる! Outlook のバックアップ : Outlook 2007 のデータをバックアップ

対象 手順
個人用フォルダ pstファイルを移動する。新しい環境では、メニューの【ツール → アカウント設定】の[データ ファイル]タブでそのpstファイルを開き、[既定に設定]する。Outlook データ ファイルを別のコンピュータに移動する
仕分けルール ※個人用フォルダのデータに含まれる
メニューの【ツール → 仕分けルールと通知※1】を開き、[電子メールの仕分けルール]タブで[オプション]をクリックする。そして[仕分けルールをエクスポート]をクリックする。
アカウント設定 Outlook 2007には、アカウント設定を移動する手段はない。Outlook 2007 / 2010の場合 - 富士通Q&A - [Outlook] メールアカウントをバックアップする方法、復元する方法を教えてください。 - FMVサポート : 富士通
オートコンプリート エクスプローラなどで%APPDATA%\Microsoft\Outlookを開き、プロファイル名.nk2ファイルをコピーする。移動先のプロファイル名が異なるならば、それと同じファイル名に変更した上で上書きする。名前の自動入力機能 (オートコンプリート) を使用する
送受信グループ
※1 メールアカウントが登録されていないと、メニューに表示されません。
複数のダウンロードサイトから、まとめて検索